建物を考える上で、敷地の次に考えるのは「建蔽率と容積率」です。
建蔽率とは、敷地に対して建てられる建築面積の割合のことをいいます。言い換えれば、その土地にどれだけの建築面積の建物を建てられるかということです。それが地域毎に行政によって法的に決められた数値をもっています。
例えば、敷地面積100㎡、建蔽率50% という敷地だと
建物は50㎡まで建てることが出来ます。
※)50㎡とは建築面積のことで、通常1階の床面積を表します。
では、なぜそれが決められているのか?
それは、建蔽率が決められていなく、建て主が自由な大きさで建ててしまうと住環境が悪化してしまう恐れがあるからです。地域によってそれぞれ数値が異なってきますが、一般的に都市部から離れれば離れるほど建蔽率は低くなっていきます。
また防火地域内である基準をクリアした建築物や角地の敷地などは建蔽率の緩和があり、定められた建蔽率に数値をプラスして建蔽率を大きくすることも出来ます。
そうすることで、土地によっては建蔽率100%という土地も出てきますが、民法234条で外壁は境界線から50cm離さないといけない規定があるため、実際には100%使って建築をすることはありません。
容積率とは、敷地に対して建てられる建築物の容積に割合のことをいいます。言い換えれば、その土地にどれだけの建物を建てられるかということです。
建蔽率と似ている言葉になりますが、建蔽率は建築面積(主に1階)の割合で、容積率は容積、つまり合計の床面積の割合をさします。建蔽率同様、地域ごとに行政によって決められた数値があります。
例えば、敷地面積100㎡、容積率80% という敷地だと
建物は80㎡まで建てることが出来ます。
ちなみに、上記例で、建蔽率が50% だと、建物としては
①1F 50㎡ 2F 30㎡ 合計80㎡
②1F 40㎡ 2F 40㎡ 合計80㎡
のように、建築面積によって2Fの広さも変わってきますが、容積率は80㎡なので、①でも②でも合計の面積は80㎡となります。
では、なぜこの数値が決まっているか?
建蔽率と同様ですが、建て主が自由に建ててしまうと急に10階建てのマンションが隣に出来たりして、日当たりや風通しなどの住環境や生活環境が悪化してしまうからです。
また、容積率は前面道路の幅員によって変わってくる場合があるため、前面道路が広い際は一度確認する必要があります。
このように、建築をするにあたって、その土地に好きなだけ建てていい訳ではなく法的に決められた数値の中で建築する必要があります。
そのため、土地の形はいいからと言って決定するのではなく、どのくらいの建物を建てたいからこれくらいの土地が欲しいという風に考えていかなくてはいけません。
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